4月3日、母乳外来。(生後100日)

 午前10時に日赤医療センターへ。母乳外来を受けにいく。保育園に入園するまで1か月をきったので、おっぱいのコンディションをととのえておこうと思ったのだ。あいにく、まだ声が出ない。声を出そうとすると、せきが出てくる。今年のかぜはしつこいなあ。のどへのダメージをおさえるため、助産師さんにききたいことを1枚の紙に書きだした。これを見ながら話せばシンプルだし、すすめやすいだろう。受付をすませると、母乳外来の部屋へ。

「こんにちは」
「よろしくおねがいします。あ、こんな声で、すみません」
ベテランの助産師さんが対応してくれた。テキパキとたのもしい。さっそく紙をひろげて質問をする。質問は4つ。最初に、そうすけの体重を測った。
「まずは、はだかで測って。つぎに、服を着せて測ろうね」
「あ、うんちしてる」
だいたいこういう大事なときにかぎって、立派なうんちをする。急いでおしりをふいて、はだかにする。スケールにのせると、そうすけが動いて数字がなかなか定まらない。6090、と助産師さんがメモを書いた。体重6090グラムです、と教えてくれた。とうとう6キロ台だ。いまから、おなかのなかにもどろうとしてもムリだね。もどりたいとは、いわないだろうけど。
「服を着せて測って。おっぱいをのませて、また測ります」
「授乳の量をチェックするんですね」
そうすけにおっぱいをあげているあいだ、質問を確認する。質問1、保育園にかようようになったら、昼間はミルク、夜から朝にかけては母乳のリズムにかわるけれど、乳腺炎を防ぐにはどう気をつければいいか。これには、搾乳のタイミングで対応することになる。朝は出かけるぎりぎりまで、そうすけにおっぱいをあげて、12時、15時、18時、と3時間めどで搾乳をするのがのぞましい。仕事場に授乳室がない場合、医務室や会議室を利用して搾乳する人が多いらしい。トイレは不衛生なのでなるべく避けたい。医務室に冷蔵庫があれば、落ちついて搾乳できるし冷凍保存もできるから理想的だ。質問2、昼間もたとえ1回ぶんでも搾乳した母乳をあげたほうがいいか。あげたほうがだんぜんいいです、とのこと。ミルクは母乳をめざしてつくっている。母乳は最強のごはんなのだ。質問3、じょうずな搾乳の方法が知りたい。乳輪の境目あたりに指を垂直に差しこむように入れて押すように、ぎゅうっと搾る。この差しこみ方がポイントらしい。そうすけがおっぱいをのんだあとに、実践してみることになった。質問4、そうすけに歯が生えてきているようだが、痛くならないように母乳はのませられるか。これは心配しなくてもだいじょうぶ。もともと痛くならないようにのむ方法を、赤ちゃんは身につけているらしい。もし噛まれて痛かったらなんらかのメッセージがあると考えたほうがいい、とのこと。これも、いのちのしくみのひとつだろう。

 そうすけは外でおっぱいをのむのになれていないからか、なんども乳首を口から出してしまう。それでも45分くらいはねばってなんとかのませて、体重を測ってみた。65グラム増。思ったよりもすくない。でも、これで標準の範囲内だそうだ。もっと、ぐっと、乳首をくわえこむようにしてみましょう、といわれてためしてみる。そこでわかったのだが、そうすけはくちびるのかたちがくわえこむには適していないらしい。上品なのみ方が似合うのかもしれない。回数を多めにあげましょう、とアドバイスをもらった。まだまだ、寝不足はつづく。