4月7日、そうすけ先生。(生後104日)

 そうすけは、1日に7、8回うんちをする。便秘のわたしからすれば、うらやましいかぎりだ。ちょっと回数が多すぎるんじゃないかなと気になることもあるけれど、個人差の範疇なので気にしないでもいいそうだ。ちなみにママ友の赤ちゃんは、2日に1回のペースらしい。便秘にならないかといつも心配していると話していた。うんちの回数や状態は、赤ちゃんによってこんなに差があるわけだ。生後3か月くらいまでのあいだには、水っぽいうんちが1日になんども見られてもだいじょうぶ。母乳で育つ赤ちゃんのほうが、ミルクで育つ赤ちゃんよりもうんちがやわらかく回数も多くなる。うんちが水っぽくなってもそれだけを心配しないで、きげんや食欲など全体で判断したほうがいい。

 そうすけはよく、おっぱいをのみながらうんちをする。その瞬間ふっと動きがとまるので、大概すぐにわかる。のむならのむ、出すなら出す、どっちかにすればいいのに。いつもいつもいそがしそうだ。ふんばるとき、そうすけは上目づかいでわたしを見ながらうんちをする。その目は、ほんとうにすみません、とでもいいたげだ。その瞬間があまりにいじらしいので、ぎゅうっと抱きしめたくなってしまう。おっぱいのあとにおむつをかえていると、こんどはいきなり悪魔に変身する。新しいおむつをつけたとたん、待ってましたとばかりにぶりぶりうんちをするのだ。つづきがあったとは。これ、わざとしてるんじゃないの。わたしがあわてるのを見て、してやったり、と満面の笑顔になる。

 うんちがただの排泄物ではなくコミュニケーションツールにもなるんだということを、そうすけに教えてもらってはじめて知った。親になってはじめて知ったことが、いくつもある。お食い初めの儀式もそのひとつだ。一生たべることにこまりませんように、という願いがこめられている。満一歳の誕生日を迎えたときにも、一升餅とよばれる餅を背負わせる儀式があるらしい。一升と一生とをかけていて、一生たべものにこまらないように、という意味がこめられている。一生ぶんの重みを学ぶ、という意味から、立って歩いてしまった場合にはわざと転ばせることさえあるらしい。一升ぶんのお餅を背負って歩いたり転んだりするのはしんどそうだが、あたりまえの儀式になっているからおもしろい。