5月23日、生後150日。(生後150日)

 きょうで、生まれてからちょうど150日が経つ。ジャンプのおもちゃにのってびょんびょん跳びはねているそうすけを見ながら、たくましくなったもんだ、とつくづく思う。いまこの日記を書いているあいだもびょんびょん、休みなく跳んでいる。ときどき、こっちを見る。目があうと、いひゃあい、と声をあげて大よろこびしている。まだ言葉は話せないけれど、意思の疎通ができていると思われているように思えてくる。まあ、親の思いこみにすぎないのだが。

 そうすけにとってきょうは、人生ではじめてごはんをたべる日だ。6月1日から保育園で開始する離乳食へ向けて準備食をはじめる。1日1回1さじからスタートする。たった1さじから食生活がはじまるんだなあ。慣れてきたら、徐々に量をふやしていく。まずはアレルギーの心配がすくない、おかゆから。米を炊いてうらごしをして、なめらかにすりつぶした状態にする。はじめてたべるんだから、いい米にしよう、と南魚沼産コシヒカリを入手した。いつもは玄米をたべているので、この米はそうすけ専用だ。はじめてたべるんだから、おいしくつくろう、と離乳食用の調理器をだんなが購入した。そうすけのことになると、だんなは金に糸目をつけない。このままだと、やがてたいへんなことになるだろう。と確信しながらも、便乗しちゃえばいいか、と思っている。

 そうすけのはじめてのごはん、南魚沼産コシヒカリのとろとろ10倍かゆができた。ではさっそく、たべてみよう。たべさせ方にも、コツがある。ひざに抱いた赤ちゃんの姿勢を、すこし後ろに傾けるようにする。スプーンのかたちは、浅く幅が広すぎないものがいい。スプーンをちょんちょんと下くちびるにあててサインを送り、舌の先にのせ口が閉じるのを待ってスプーンを抜く。上くちびるに押しつけたり、口の奥まで入れないように気をつけること。赤ちゃんの食事、と書かれたパンフレットを見ながらやってみる。スプーンを差しだしたとたん、そうすけの顔がこわばった。薬をのむときにスプーンをつかっていたので、カンちがいをしているようだ。あわわわ、ネガティブになる前にたべてもらわないと。ぱくん。一瞬にして、人生最初のひと口が終わった。