5月26日、ハーレム状態。(生後153日)

「おかえりなさい」
いつも保育園へ迎えにいくと、こんなふうにあいさつされる。さすがに、ただいまとはいわずに、こんにちはとこたえるが、気もちがいい。第2のおうちだと思ってくださいね、という保育園の心づかいを感じる。きょうは予定よりも早く迎えにいくことができたので、大崎駅で保育園に電話をかけた。

「こんにちはー。かんべそうすけの母です」
「そうすけくんのお母さん、こんにちは。きょう、延長保育ですよね」
「それが、早く迎えにいけることになって。15分くらいで着けます」
「あっ、そうですかー。気をつけていらっしゃってくださいね」
「ありがとうございます」
電話ではこんな会話をしていても、保育園に着くと、おかえりなさいで迎えてくれる。アットホームだなあ。そうすけは、お友だちのまゆりちゃんの横でくつろいでいた。まゆりちゃんは、そうすけよりも1か月おねえさんで、ふたりはとってもなかよしだ。そうすけがよく、指を2本口にくわえていることがあって、なぜ2本だろうと思って観察していると、まゆりちゃんのまねをしていたことがわかった。生後5、6か月でどこまで意思の疎通ができているのかはわからないが、見ているとたしかな友情が育まれているようだ。保育士さんがそうすけをだっこしてつれてくると、まゆりちゃんが、じーっと、こっちを見ている。その目は別れを惜しんでいるように見えた。まゆりちゃん、そうすけをうばってしまって、ごめんなさい。あやまらずにはいられなかった。それを見ていた保育士さんがくすっと笑いながら、モテモテですよーと教えてくれた。

「なぎさちゃんとも、なかよしなんですよ」
「えっ、そうなんですか」
「よく3人でならんで、なかよく寝ているんですよ」
「まゆりちゃんと、なぎさちゃんと」
「ね、そうすけくん」
ハーレム状態じゃないか。勝手に想像しながら見ると、まゆりちゃんは保育士さんとあそび、なぎさちゃんはベビーベッドで眠っていた。ベッドは数がすくないため交代でつかっているそうだ。帰り際にそうすけは、なぎさちゃんをちらっと見てから、まゆりちゃんとあつい視線を交わしていた。