6月22日、家族っていいな。(妊娠12週3日)

 戸越に住んでいるだんなの親戚宅に、およばれした。お義父さんのいとこにあたる。戸越のおじさん、と、よんでいる。30代半ばくらいの息子さんがふたりいて、ふたりとも結婚して家庭をもっている。それぞれの家庭にふたりお子さんがいるそうで、戸越のおじさんとおばさんは、4人の孫がいることになる。なのに、孫がいる年齢には見えないほど若々しい。ゴルフや、テニスや、旅行をマイペースでたのしんでいるそうだ。ふたりの息子さんもそれぞれ、自分らしく、たのしく暮らしているらしい。まさに、理想の家族だよなあ。
 戸越のおじさん、おばさん、ふたりの息子さん、だんなの弟さん、だんなとわたし、7人のおとながあつまった。仕事の話から日常の話まで、会話のネタがつきない。なかでもおもしろかったのは、家族の話だ。戸越のおじさんにはふたりの息子さんがいる。だんなとだんなの弟さんも、ふたり兄弟だ。兄弟を育てるときに、親はどんなことを考えていたんだろう。兄と弟は、それぞれどんな思いを抱いていたんだろう。親と子、兄と弟の、セキララトークがはじまった。

「弟は、兄を、お手本にしている」
これは、どんな兄弟にも共通しているかもしれない。弟は、いつも兄のそばで行動を観察している。どうしたらほめられるのか、どうしたら失敗するのか。兄をじいっと見て、学んでいる。いっぽうで、生まれた瞬間から親よりもずっと年齢の近いライバルがいる、そんな環境下にずっといるわけだ。弟のほうが要領がいい、とか、あまえじょうずだ、とか、いわれるのは当然かもしれない。
「兄は、弟よりも、たくさんしかられている」
子どものころから、兄はしょっちゅうしかられている。弟は兄ほどつらい思いをすることなく、おとなになっていく。しかられている兄をじいっと見ながら、弟は予習しているのだ。また、兄がまだ子どものころは、親も年齢が若く経験がすくないため、子育てに熱心になりすぎることもあるそうだ。自分のぶんも兄がおこられているのを見て敬意を抱いた、と、あらためて弟たちがいう。
「じつは、弟はすごいな、と思う」
兄弟がおとなになって、それぞれ家庭をもつようになる。それは、たがいをあらためて認めあうチャンスだ。だんなの弟さんにもふたりの息子がいて、ちょうどいまがわんぱく盛り。そんな弟さんの子育て論をアツく語る横顔に、ほれぼれしてしまった。ふとだんなを見ると、しきりに感心しながらうなずいている。家族はやっぱり、おもしろい。教えて、教えられる。育てあう関係なのだ。