6月24日、報連相その2。(妊娠12週5日)

 ウチの仕事場には、上司がたくさんいる。きょう、3人めの上司に報告をするつもり。この3人に伝えられたら、まずはひと安心。3人に話すだけなら半日もあれば十分でしょう、と苦笑いしたくなる。でも、声をかけるだけでも、緊張でのどがカラカラになるくらいだ。そのうえ、3人はそれぞれ、いそがしく時間に追われている。そんなこんなで、あせらずスキをみてアプローチすることにした。

 きょうはタイミングよく、おめあての上司がすぐ近くにやってきたので、すかさず声をかけてみた。
「すみません、10分ほどいいですか」
「あ、ちょっと待ってて」
キープしていた個室に上司がもどってきた。
「ごめん、ごめん」
席についたところで、さっそく診断書をとりだした。
「す、すみません」
診断書と思ったら、企画書だった。ここでご提案してどうする。あわてて診断書をとりにもどる。これで緊張がほどけた。
「このたび、妊娠しました。きょうで12週5日になります。予定日は来年の元旦になるといわれています」
「へぇ、おめでとう」
「ありがとうございます」
「元旦かぁ、ダブルでめでたいね」
「そうですね」
「夏バテしないように気をつけて」
「はい」
産休をとるタイミングや、出産後も仕事をつづけたい意思がある、などの希望を伝えた。
「もちろん、仕事をつづけていただきたい」
このひと言で、ほっとした。しかし、現実はなかなかきびしいらしい。実際に産休をとった後輩たちが、保育園の空きがなくて復帰が遅れてしまったり、復帰しても体力的に以前のペースでは仕事ができなかったり、さまざまな壁にぶつかっているのだという。わたしは、さらに年上だ。正直なところ、どこまで体力がもつかはまだわからない。ひとつひとつ、実際に体験してみなければ。